2022年02月15日
日本では、医薬品の処方と調剤がそれぞれ完全に分業されるようになっています。こうした方法で役割分担がおこなわれることにより、患者にも大きなメリットがあります。ここでは、こうした分業化に関することについてご紹介します。
医師が処方をしている処方箋と医薬品の調剤
薬剤師は、医師の書いた処方箋をもとにして患者に医薬品を処方しています。医師が処方する処方箋の数が多いほど、より多くの医薬品が調剤されることになります。日本で発行されている処方箋の数は非常に多く、毎年数億枚単位の処方箋が発行されています。
これは国民一人あたり1枚以上の処方箋を発行されていることになります。このように非常に多くの数の処方箋が医師により発行されていることから、それを調剤する仕事も非常に重要です。医師が処方した処方箋は、さまざまな場所で調剤されています。
医師が働いている病院やクリニックの中には医薬品の調剤をしていることもあり、こうした医療機関で医薬品の調剤がおこなわれることもあります。このような方法で医薬品を調剤してもらうことのメリットは、患者がわざわざ病院外の薬局まで足を運ばなくても、医薬品を調剤してもらえることです。
処方箋に関するデータである処方箋受取率
病院の外来で診察を受けた患者は、医師から医薬品を処方されることもあります。このような場合、処方箋をもらった患者はその病院ではなく、他の薬局で調剤をしてもらうこともあります。病院の外来で処方箋を受け取った患者のうち、外部の病院で薬を調剤してもらった人の割合を処方箋受取率と呼んでいます。
処方箋受取率を調べることにより、病院の外来を利用している患者がどのように医薬品を調剤してもらっているかを、正確に調べることができます。こうした調査は数十年前からおこなわれています。
増加し続けている日本の処方箋受取率
処方箋受取率は近年大きく変化しています。1992年に発行された処方箋の枚数はおよそ1.8億枚でしたが、この年における処方箋受取率はおよそ14パーセントでした。1992年の時点では医師から処方箋を受け取った患者が外部の病院で調剤をしてもらう割合は非常に少なかったのでしたが、その後この割合は少しずつ増加していきます。
2020年には処方箋受取率はおよそ75パーセントになり、処方箋を受け取った半分以上の人が外部の薬局で薬剤師に調剤をしてもらっています。