2022年01月27日
薬学部の大学新卒者の就職率は高いレベルです。薬剤師人口は地域偏在があり、地方都市に行けば求人募集がたくさんある、都市も調剤薬局の新規出店が非常に多く、ドラッグストアもOTCのみならず調剤併設店が増え、ニーズが高まっています。 これまで、女の子の人気職でしたが、近年では性別は関係なしに人気職にあります。
専門の大学に入りやすくなった現状
この職業が人気となった背景にあるのは、シンプルに就職率が高いからと言うわけではありません。 薬科大学の新設を文部科学省が受け入れ、たくさんの薬学部が作られました。その結果として、最終的にはおおむね2倍に膨れ上がったのです。
定員も前のおおむね2倍近くになり、前より入学しやすい学部へと変容しました。 もう一つの急な変化は、養成課程が6年制へ改変となったところです。私立大学のほとんどが6年制を導入しました私立薬科大学の人気が下落し、低い偏差値でも入学できるようになりました。
仕事の高度化とともに国家試験は難易度を高めている
それとは反対に、仕事内容は、以前に比べて厳格で、難しくなってきています。なかんずく、病院はがん外来診療支援などの臨床に関する業務を行うようになり、保険薬局は在宅患者に足を運んで管理を行うようになりました。
調剤と服薬指導のみだった以前と比較すれば、その困難さはアップしているようです。 薬学部入学の困難さは下落しているのに国家試験の困難さは上がっている、わかりやすく説明すると合格することができる薬学生が減ってきているということができます。
業界の未来にかかっているものとは
入学できても薬剤師になれないトレンドは、親からすれば再検討せざるを得なくなります。このことにより、薬学部人気低下がもたらされるという悪いサイクルも考えられます。流れを打ち切らせるには、やりがいのある仕事内容であるために応募したい人が増えるという状態に変貌させなくてはなりません。
それを現実にするには、クォリティが高くプロフェショナルな業務と化していくことが求められるのです。 そのうえで、一類医薬品が指導がされないまま市場に出回っている問題など、近頃はメディアからバッシングがあちこちで展開されています。
これについては、薬剤師は市民の声に対して真正面から取り扱う必要があります。未来が晴々しいと言えないファクターも含んでいます。未来を明るくできるか否かは、業界の今からの努力懸かっているとも考えられます。