服薬指導だけではない、患者さんとの大切な会話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年10月08日

薬剤師には患者さんとしっかりと話をするスキルが必要です。その内容は挨拶から始まり患者さんの服用状況、副作用や体調の変化などが主なものですが、服薬指導を行う上では他にも細かな情報を聞き出す必要があるケースも存在します。では、それはどのような場合を指すのでしょうか。

健康のために摂取しているものを聞き出す

薬剤師としては、提供する薬と他に併用している薬との飲み合わせに最も気を使いますが、飲み合わせの相性が悪いものは薬だけではありません。例えばサプリメントは、一昔前では健康補助食品として一部の方だけが使用しているものでしたが、近年では市販で販売されているものが多く、気軽に購入をすることができるようになっています。

サプリメントの使用動機はダイエットや健康維持、健康促進やアンチエイジングなど個人によって異なりますが、このサプリメントは場合によっては薬との相性が悪く、薬の効果が阻害されることがあります。そのため、患者さんには普段から何かサプリメントや栄養補助食品などを接種しているかどうかの確認を行うことも大切です。

雑談の中にも患者さんの生活が見える

また、飲み合わせなどではありませんが、運動不足や食生活の偏りなど、生活習慣についても患者さんから詳しく話を伺うことも大事な業務です。例えば血圧に関する薬を処方している場合は、普段の生活に取り入れられる軽い運動などで数値が改善するケースがあります。

医師からも助言として聞いている可能性も否めませんが、薬との関連性を交えて話をすれば患者さんの理解も深まり、実際に生活に取り入れてくれるかもしれません。薬を提供することが仕事とはいえ、目的は患者さんの治癒や健康ですので、そこは遠慮なく、しかし、説教じみた話し方ではなくサポートをする立場として話し方にも気を付けてアドバイスをしてみましょう。

場合によっては嗜好品を控えてもらうことも

他にも、薬はお酒やタバコなどの嗜好品と合わせると影響が出るものがありますので、患者さんの嗜好品をたしなむ傾向を確かめることも重要です。お酒は週に何日飲酒をするのか、どれくらいの量を飲むのか、またはタバコは一日に何本吸うのか、などを聞き出します。

例を挙げれば、一部の婦人科系の薬などは喫煙者にとっては健康被害を与えることもありますので注意が必要です。また、アレルギーや既往歴も提供する薬の判断に影響を及ぼすため、患者さんが持っているアレルギーや今までに経験した副反応、既往歴などを考慮した上で適切な薬を処方できるように様々な面から考えることが求められます。

PAGETOP