2023年08月31日
世間では医者は病気やケガを治療してくれる、看護師はサポートやケアをしてくれる、というのが一般的な見識です。では、薬を扱うことに長けている薬剤師は、患者や身近な方にとってどのような存在となっているのでしょうか。
患者にとっては安心感を与えてくれる存在
薬剤師は患者に提供する薬を調剤して、服薬する際の注意点や説明などを伝えることが主な業務ですが、患者にとっては難しい薬のメカニズムや副作用などを分かりやすく教えてくれる重要な存在です。
また、薬が飲みにくかったり効果がいまいちであったりしても、気軽に相談をすることができる相手として安心を与えてくれる、という面もあります。患者の中には直接、自分の病状や質問などを尋ねたくても、医師を相手にすると多忙な雰囲気を察すると聞くことを躊躇して、悶々とする方もいます。
ですが、薬剤師の方になら話しやすいと感じている方も多く、面と向かって医師には言えないことを聞いてくれるという行為は患者にとっては希望の砦となります。そのため、信用できる医療者としての位置を確保するには患者との信頼関係が重要ですが、誠実に患者と向き合って業務に当たっていれば、おのずと身に付けることができるでしょう。
身内、知り合いの情報は信頼できる
また、身内や知り合いにいると、自分が使用している市販薬や飲み合わせについて日常的に聞くことができる相手として感謝される存在となります。通院をしている訳ではない方にとっては、病院や調剤薬局に行く機会がありませんので疑問点や質問があっても医療者に聞くことができません。
そんな方ができることと言えば、ネットで検索をすることぐらいですが、それも情報は膨大でデータも様々、中には専門用語が多くて意味が分からないもの散見されます。信頼できる情報も多いですが、間違った情報であっても薬に関する知識を持ち得ていない方にとっては、正邪の判断はつきません。
そんな時に身近な方に薬に関する話を聞けると、信頼するに足りえる情報を聞くことができて、本人にも納得をしてもらうことが可能です。
流行を察知して大切な家族や地域を守る
そして、これは医師、または看護師の方でも言えることですが、業務上季節性の風邪や花粉症などが流行する時期をいち早く把握することできるので、医療関係者だけではなく家族や知人などに流行のピークが来る前に注意喚起を促すことが可能となります。
また、流行は全ての地域で同時に起こることはなく、地域差があるためどこかの地域の流行がそのまま自分達の地域に当てはまるとは限りません。ですが、ウイルスや花粉は目には見えませんが、職場地域での流行は患者数や薬を供給する数などから流行時期をキャッチすることが可能です。
そのため、自分が住んでいる地域や家族がいる場所など、それぞれの状況に合わせて発信をすれば、大切な方や地域を守るための情報を提供することができる存在となります。