2023年04月10日
薬剤を調合する調剤師などの需要と、実際に薬剤師という立場で働く労働者の就業人数についての現状を解説します。実は薬剤を扱う国家資格者は年々と増加傾向にあり、実際に企業が雇い入れる就業可能人数を超えるというデータが発表されています。ここでは、調剤師などの有資格者が溢れているという問題と今後について言及していきます。
調剤師の労働人数は飽和状態であると言える
2023年度においては、日本の薬剤師の資格を持つ人物の統計は32万人であると報告されています。そのうえで、2020年度における薬を調合可能な資格者の需要人数はおおよそ20万人という人数で資格保有者を大きく上回る人数が有資格者という形で労働可能な国家資格の保有者として登録されています。
が、問題となるのは、2020年当時にすでに調合を可能とする薬師の資格を持つ人物の人数が労働可能従事者の割合を超えており、資格者のほうが労働現場よりも多いという実情になっている点です。よって、現在は調剤師と呼ばれる薬師の資格を有する人物は飽和状態にあり薬師の資格は取得しておけば必ず就業可能となる国家資格であると言い切れません。
AIが導入されるとおそらく更なる人員削減が加速
現在、AI化による人員削減が加速する中薬剤師などの薬を扱う仕事もAIによって人員の削減が図られると予想されています。AIによる人員削減を行う目的については、企業側において高いメリットがあり、人件費という問題においてコストカットが可能となります。
薬剤を扱う有資格者一人がAIを通して適切に薬を処方するという制度が確立されることで人員を削減し、薬師の資格を持つ人物のリソースを別のことに裂けることからAIによる人員削減は加速すると思われているのです。
ただ、課題としては、AIが薬を人間に代わって処方する流れにおいてAIの誤診のほか問題発生時の責任の追及は誰が追及を受けるべきであるかなどの問題の解決が必要ですが、AIによる労働者の削減については企業に利点が大きいため薬師の仕事も例外になくAI化が加速するとみられます。
情報を処理する事柄に関して人間はAIに勝てない
AIが医療に進出することで起きえる問題については、人間は薬学のデータを処理するに際してAIに勝てないという事実です。つまり、AIに仕事を奪われる項目が現れ始め、調剤師の仕事の一部を奪われる可能性が高まり人員削減が加速するという流れが生まれると予想します。
特にデータ収集という部門においては、AIは高度な成長を遂げており、インターネット上から情報を収集し、情報が正しいかどうかを判断する学習機能を備えるAIが登場し始めています。以上から、今後薬に関する事細かな情報収集及び、データベースなどを作成する仕事についてはAIが人間の代わりを務め上げ人間はAIが提示する情報をもとに患者となる人物に薬を手渡す未来になりえる可能性があります。
そのうえで、AIが人間の業務の代わりを務め上げるようになると人間側に求められるものは、AIの情報を的確に処理していく人物のほか、患者となる人物から信頼を受けAIを通して患者に適切な医薬品を手渡せる人物だけが生き残り、仕事を全うする未来になりえる可能性が高いです。