2023年02月05日
薬局で調剤をしている薬剤師の仕事に大きな影響を与えるのは処方せん受け取り率です。処方せん受け取り率は変化していて、最近は昔と比べると割合が増加しています。ここでは、こうした処方せん受け取り率の変化について解説します。
仕事に影響する処方せん受け取り率
処方せん受け取り率が高くなると、薬剤師が薬局で医薬品を調剤する機会も多くなります。処方せん受け取り率とは、病院やクリニックなどに通院している外来の患者が、医師から処方された医薬品を、薬局で調剤してもらった割合のことです。
病院で処方せんを受け取った患者が全て薬局で調剤を受けるとは限らないので、こうした割合が調べることが重要になります。処方せん受け取り率は、薬局で受け付けた処方せんの枚数を、病院の診療日数に投薬した割合で掛けた数で割ることにより計算できます。
この計算で使われる病院の診療日数は、通常の病院の診療日数だけでなく歯科医院の診療日数も含みます。
増えていった処方せん受け取り率
日本の薬局における処方せん受け取り率は増加する傾向にあります。処方せん受け取り率が増加することが多いのは、処方せん料が従来よりも引き上げられた時です。
診療報酬が改定されることにより、処方せん料が引き上げられることがあります。昭和45年ごろは日本の薬局における処方せん受け取り率は0パーセントに近かったのですが、昭和49年に診療報酬が改定されて処方せん料が上がったことにより、割合が少しずつ上がっていきました。
昭和49年における処方せん受け取り率は0.9パーセントだったのですが、処方せん料が10点から50点に増加すると、10年後の昭和59年には処方せん受け取り率が10パーセント程度まで上昇しました。
50パーセントを超えた処方せん受け取り率
平成4年における薬局における処方せん受け取り率は14.1パーセントまで増加しました。この年にも診療報酬が改定されて、処方せん料が55点から74点に変わりました。その後、処方せん受け取り率は20パーセントを超えるようになり、平成10年における処方せん受け取り率は30パーセントを超えています。
この年にも診療報酬が改定されて、処方せん受け取り料は79点から81点になりました。平成20年代になると薬局における処方せん受け取り率は50パーセントを超えるようになり、薬局で薬剤師に調剤をしてもらう人がさらに増加しています。
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