院内薬局の設置や大手薬局チェーンによるM&A進行

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2020年08月18日

国策により医薬分業に本腰を入れだして薬局が大学病院や総合病院など、多くの診療科を抱える病院の門前に急速に増え出してくると薬剤師の求人募集が一気に増え出しました。ところが、この状況は全国各地に薬局やドラッグストアがコンビニと同様に6万店舗ほどでほぼ飽和状態になると求人環境も落ち着いてきました。

門前薬局の急増で高まった薬剤師人気に高校生殺到

本格的な医薬分業が取り入れられると病院の出入口周辺に薬局機能を有するドラッグストアが急速に増え出しました。この状況を見て、雇用市場で引く手あまたに躍り出た求人募集の急増した薬剤師を目指して高校生などの志願者が大学薬学部や薬学系専門学校へ殺到し始めたわけです。

しかも、学校側の入学定員増強も続いたのでこの国家試験受験者が急増し、昨今は1万人以上の合格者を社会へ輩出し続けるようになりました。合格者が急増しても薬局などの店舗数増加により合格者の就職率が高いだけでなく薬局で働く現役の転職者が雇用条件の良い店舗へ鞍替えするケースも増えました。

医薬品業界もAIやロボットなどの導入で構造改革

ところが、規制緩和により病院内の患者の利便性を考慮して病院敷地内に調剤薬局、いわゆる院内薬局の設置が行われたり、大手薬局チェーンによるM&Aが進行しています。従って、今後は門前薬局の店舗数が一転して減少に向かうと予想されるようになってきました。

国家試験に合格して薬局などに就職すれば高い年収が得られるので安心して生活を送れると思えた時代が終わりそうだとの予想が報道されています。この点で大学薬学部や薬学系専門学校をこれから卒業し、国家試験に合格しただけでは薬局などへの就職すら容易でないといわれるわけです。

この国家試験合格者には最近、男性も増えてきましたがまだ圧倒的に女性の職場になっています。これは、家庭を持って子育てしながら店舗に立ち、安定志向の生活を送れる見通しがあるからのようです。

医療、介護の仕事で領域や種類が幅広い薬品取り扱い

現在、薬局を経営している人は将来に向けた見通しに危機感を持っているはずです。また、これから学業を終えて国家試験に合格して実社会へ出ていこうとしている人は夢を破られる思いでしょう。しかしながら、高齢化が進む社会で介護や看護の世話になる人が増えることが避けられないといわれています。

このような医療、介護の世話になる多くの患者にとって服薬治療の仕事は切っても切れないことです。従って、薬品取り扱いの専門家となって実社会で医療、介護の仕事にあたる領域や種類は幅広くあるはずです。

独立して院内薬局を多店舗経営する道が開かれているともいわれています。医療、介護の現場にも人手不足を背景としてAIやロボットなどの導入が進んできたので仕事の領域や種類も影響を受けるようです。しかしながら、それを模索する中から薬品取り扱いの専門家の果たす新しい役割が見つかるはずでしょう。

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