2020年04月30日
医薬品のプロフェッショナルである薬剤師は、国家試験に合格しなければ資格を取得することができません。国家試験を受けるためには6年制の薬学部を卒業しなければなりませんが、果たしてどのような授業が行われるのでしょうか。
医薬品のプロフェッショナルです
医師の処方箋に従って医薬品を調剤したり、医療用医薬品から一般用医薬品までの薬を販売したりすることができる薬剤師。医薬品のプロフェッショナルとして高い専門性を有しますが、なるためには国家試験に合格して国家資格を取得しなければなりません。
しかも誰もが国家試験を受験できるのではなく、一定の要件を満たす必要があります。
薬学部では専門的な知識を身につけます
国家試験を受験するためには高校卒業した後、薬学部のある6年制の大学に進学しなければなりません。薬学部では有機化学や生化学、衛生学や薬物療法など、専門的な科目を学ぶ必要があります。
薬学部で学ぶ授業はほとんどが必須科目であり、定期試験に合格して単位を取得しなければ次の学年に進級することができません。そのため薬学部にもよりますが、毎年何人かが留年することが多いです。4年次までに薬学に関する基本的な知識を身につけると、5年次からは調剤薬局や病院で実務実習を受けることになります。
ただし実務実習を受けるためには、大学でOSCEと呼ばれる技能テストやCBTと呼ばれるコンピューターを使った知識を問うテストに合格しなければなりません。OSCEとCBTをあわせて薬学共用試験といいますが、これは4年次の12〜1月にかけて実施されます(日程は各大学で設定されます)。晴れて薬学共用試験に合格すると実務実習となりますが、実習期間は調剤薬局と病院それぞれで約2か月半と長いです。実務実習が終わると、卒業研究に着手するのが一般的です。
国家試験に合格して登録を行います
6年間のカリキュラムの修了のちに卒業試験に合格することで、国家試験の受験資格を得ることが可能となります。国家試験はかつては3月に行われていましたが、現在では2月下旬に実施されています。国家試験は2日間にわたって行われます。
試験はマークシート方式で実施され、2日間で合わせて345問出題されます。合格率はおおむね70%前後です。一人でも多くの合格者を出すために、多くの薬学部では国家試験予備校の講師を招いて授業を行っています。
また国家試験対策として、予備校が作成した模擬試験を実施する薬学部も少なくありません。無事に国家試験に合格すると、厚生労働省に対して登録の手続きを行います。登録が済めば晴れて薬剤師として働くことができるのです。